プロフェッショナル三日坊主

グラビアはカルチャーだ

グラビア休憩&大橋トリオ

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引用:大橋トリオ公式Twitter(@ohashiTrio)

 

僕は今大橋トリオを聴いている。この半年程聞かない日は無いと言うほど聴いている。飽きが早い僕にとってここまで聴く期間が長いのも珍しい。

 

僕が大橋トリオを知ったきっかけはTBSで日曜の18時から放送されている「世界遺産」という番組である。世界中の世界遺産の様子を映像で見ながら女優の杏さんの美しいナレーションを聴くという贅沢な30分を味わえるが、メインテーマ「鳥のように」がメチャクチャハマっている。毎週違う場所の映像に毎週同じ曲「鳥のように」がBGMとして流れているのに、全部がミュージックビデオになっているんじゃないかとすら思える親和性の良さに驚いた。

 

独特のウィスパーボイス、優しさこの上ないメロディ、それと調和するmiccaさん(奥さん)作の詞が特徴。ヒゲ、ロン毛、帽子と祐天寺のオシャレな古着屋のオーナー感溢れる個性が凝り固まった様なルックスも個人的にドツボである。

 

生い立ち、曲の特徴、作品に対する考え方等は今の時代ググれば山ほど出てくるので敢えてここでは語らない。blogを運営するメリットは自分の考えをひけらかせる点なので、大橋トリオ素人同然の僕が素人なりに選んだ好きな曲を上げていきたいと思う。

 

1. 鳥のように(「STEREO」収録)

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先ほども言った、「世界遺産」のテーマソング。鳥のようにというより、もはや鳥になって空を飛んでいるかの様な錯覚を覚える。この曲に合わせて上空から撮影された、中世ヨーロッパ風の街並みやジャングル・大洋・険しい山々と言った大自然、誰が作ったかも分からない不思議な建物の映像が流れるのを想像してほしい。鳥肌が出る。

 

実は、この曲はほぼサビだけで構成されている。基本的には似たようなメロディの繰り返しだが、一曲通して聴くとそんな印象は全然無い。しかもアウトロの余韻がほとんど無い。ある場所を飛び立ってある場所に到着する旅を単純に楽しんでいるかのように感じる。人がもし「鳥のように」空を飛べたとしても、飛行機の方が圧倒的に早いし疲労も少ないけど、そうじゃないでしょ?人造人間17号が言っていた「その無駄が楽しいんじゃないか」という言葉を思い出す。

 

P.S. シングル盤のB面「つくる世界」も合わせて聴いていただきたい。

 

2. FLY(「PARODY」収録)

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仲間由紀恵演じるヤンクミが「そんなちっぽけな幸せ…」と言われたのにマジギレして「幸せに小さいも大きいもねえんだよ!」と言っていた。僕はその映画を劇場で見た気がするのだが、妙に印象に残っているセリフだった。

 

最近、SNSを見ればヘイト投稿が支持を集め、誰にハラスメントを受けただの店員の対応に腹が立っただのと言っている。ニュース番組では虐待不倫逮捕炎上と辛気臭い二字熟語がどうやら人気みたいだ。人の不幸を内蔵で消化して生きてる人間が多すぎる。

 

「FLY」という曲はそんなくだらない世間の有様に辟易した人に聞いてほしいと思う。自分の大切な人と日常を送れる事、その中で起こるちょっとした幸・不幸をどれだけ充実感を持って楽しめていますか?と言われてる気分になる。「ぼんやり浮かんでいるあの白い雲が幸せ」なんて歌えるのは大橋トリオぐらいのものだろう。この曲を聞けばちっぽけな幸せを馬鹿にした沢村一樹も改心してくれると思う。

 

3. はじまりの歌(「10」収録)

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実は奥さんのmiccaさんのTwitterより、大橋夫妻のお子さんが若干10歳にして亡くなられてしまったのではないかと憶測が飛び交っているの。この曲はその悲しみを乗り越える勇気を自身に与えているのではないかと思う。

 

参考画像

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この曲を書いているのは大橋トリオであり、詞を書いているのはmiccaであるが、3人で曲を書き詞を書き音楽にしている気にもなる。

しかし、曲を聴くと悲観している描写はおろかそんな雰囲気すらも微塵も感じさせない非常に前向きで力強い曲であることがわかる。本人の声も心なしか普段のウィスパーボイスよりバスが効いている気がする。

泣きそうになる。

 

 

4. サニーデー(「THUNDERBIRD」収録)

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大橋トリオさんの曲は僕の中では「人生良い事も悪い事もあるけど、それが人生ってもんだしそれを丸ごと楽しんでいこうぜ!」という気にさせてくれることが多い。これは個人の感じ方次第なのにそうとは言い切れないが、少なくとも僕はそんな気持ちになる。

 

「サニーデー」はその「良い事」の部分を気持ち良く感じることが出来る。本当に気持ちが良い。散歩に行く時でも美味しい物を食べている時でも終電で帰っている時でも、聞けば「今日は楽しい」「また同じ事がしたい」「人生は最高である」と思う。

 

三菱地所グループがプロデュースした動画で、温水洋一さんがギターを持って「サニーデー」をBGMに丸の内を練り歩くビデオがあるが、これがもうたまらない。

 

5. つぐみ(「THUNDERBIRD」収録)

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「サニーデー」の次の曲。二曲とも詞を読むと旅立ちを歌っている。だが、曲のメッセージとして、「サニーデー」は旅立ちからの未来を楽観しているのに対し、「つぐみ」は未来の不確定さを楽しもうともがいている感じである。詞の内容、曲の雰囲気共にアルバムを締めるのに適していると個人的に思う。

 

別れることになった二人、友達でも恋人でも何でもいいが、それ自体が悲しいことでも悲しいだけが別れじゃない。めちゃくちゃ心の機微を繊細に書いていると思うが、僕は教養が無いばかりか語彙も無いので上手く表現が出来ないのがもどかしい。この曲の中で「つぐみ」はどんな役割を果たしているんだろうか。窓辺に止まるつぐみは別れることになった大切な人なんだろうか。

 

 

とりあえず5曲だけを紹介したが、少しでも大橋トリオさんに興味を持って、大橋トリオさんの曲で人生を豊かで幸せなものにするきっかけを作っていただきたい。